腎疾患予防のため腎臓食に変更して副作用が疑われた猫の所見
2011.03.28更新
シンガプーラの5歳 避妊雌が昨日フラフラして倒れたので診療に訪れました。 神奈川県川崎市多摩区からの来院です。シンガプーラは1975年にアメリカ人の猫愛好家がアメリカに連れて行き、シンガポールの通りで見つけたことからシンガプーラと名づけたそうです。世界最小の猫といはれています。
この猫のオーナーは以前に飼っていた猫が腎臓病で亡くなったので、今度の猫は腎臓病にかかりにく体質にしたいので、2歳ときから猫の腎臓食を主食に与えてました。
各社腎臓食
●腎臓病は無症状で進行する場合が多い疾患です。通常の血液検査では異常値が出たときは70%位が障害を及ぼしています。猫の腎臓病は中高年になると比較的多い疾患で動物病院では比較的末期になって発見されることが多いです。
そのため、腎疾患の予防も兼ねて腎臓食を主食にしているオーナーは時々います。しかし正常の猫に腎臓食は長期に食べさせてよい訳ではありません。
●メーカーの学術に問い合わせましたが、猫の腎臓食は腎臓病の猫にあげる餌です。正常な猫が食べ続けても腎臓病の予防にはならないそうです。
腎臓病でない猫が腎臓食を長期投与すると、2点まずい点があります。
第一に低リンにできているので、カルシウムとリンの代謝障害をおこす可能性があります。ただし腎臓病の猫はリンの制限は必須です。
第二にpHが6.8と高くなっている製品もあり膀胱炎の既往歴がある猫には向きません。
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