うさぎの検便は最近はあまり寄生虫は診ませんが、購入したらうさぎの診療可能な動物病院で検便をすることは大切です。
---------------------------------------------------------
■■うさぎの便の特徴■■
うさぎの便の特徴は、酵母様真菌
が正常で検出される点です。
酵母様真菌はうさぎの消化管の常在菌です。
-----------------------------------------------------------
酵母様真菌(Cyniclomyces guttulatulus )は希に犬にも感染します。症状は犬では軟便程度で整腸剤でよくなります。偶然うさぎの便を補食してしまったことが考えられます。
----------------------------------------------------------
■■酵母様真菌(Cyniclomyces guttulatulus) の過剰 ■■
軟便を主訴に地元、川崎市多摩区登戸からうさぎが来院しました。3才雄、ネザーランド・ドアーフ(体重1.6kg)です。
検便で診ると、虫卵はいませんでしたが、酵母様真菌が沢山検出されました。酵母様真菌は消化管の常在菌です。しかし獣医師により意見が異なりなすが、異常な増殖で軟便になる意見もあります。このうさぎには整腸剤を処方したところよくなりました。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
■■ うさぎのコクシジウム症 ■■
うさぎを購入したので検便をおこなうとコクシジウムが発見されました。 コクシジウムはアイメリアとイソスポラに分かれます。
うさぎはアイメリア(Eimeria.Spp)の感染になります。うさぎのアイメリアは12種以上の属が同定されています。アイメリアは肝臓と腸に感染します。肝臓の感染は動物病院では確定診断はできません。(肝コクシジウム Eimeria.Stiedai )腸に感染するコクシジウムを検便で診断します。(腸コクシジウム Eimeria.Perforans Eimeria.Magna Eimeria.Media Eimeria.Irresidue など)腸コクシジウムの病原性は種によって異なりますが、顕微鏡所見では種の病原性の判断はつきません。そこでコクシジウム虫卵を発見した駆除します。子うさぎではコクシジウムで下痢が始まってからでは、薬剤投与しても体力がもたず、死亡するケースが多いからです。
尚コクシジウム卵の検便での検出率は方法、文献により異なりなすが、70%前後とされています。日時で虫卵の排泄が変わる場合があります。この症例は購入先のペットショップの専属獣医師は陰性とのとこでしたが、本院ではコクシジウム卵が検出された例です。そのため検便は可能なら2-3回行うことをお勧めします。
治療にはサルファ剤を使用します。尿がアルカリ性のうさぎではサルファ剤は殆ど副作用のない薬剤です。サルファ剤は直接コクシジウムに作用する特異的駆虫剤ではありませんが 、、真核動物であるコクシジウムの染色体への浸透がよい薬剤です。コクシジウムの無性生殖生活環の最後、無性生殖の二期のtrophozoiteからschizontへの発育段階を遮断し、抗体産生を待ちます。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
■■ うさぎのジアルジア症 ■■
うさぎのジアルジアは常在の寄生虫のひとつです。うさぎがどこか具合がわるいと検便中に検出されます。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^