小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2012.10.13更新

■トリコモナス感染の猫
 1才の猫が下痢を主訴に川崎市多摩区南生田から来院しました。
(写真1)
水溶性の下痢が頻回みられた猫

(写真2)
ライトギムザ染色した確定診断したトリコモナス
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●診断
 
トリコモナスは下痢がひどくなければ感染猫の90%が無治療で2年以内に改善するデーターもありますがその後生涯キャリアとなります。
 しかし動物病院の現場では、慢性の大腸性下痢になり来院します。そのため早急の駆除が必要です。排泄便はすぐに処理する必要があり、次回感染の源になります。
 
 良く動物病院で使用する検便は、
 トリコモナスはやっかいなことに直接法で14%と検出率がよくありません。

 そこで費用はかかりますが、RealPCR検査という遺伝子検査をする場合もあります。この遺伝子検査ですと86%のトリコモナスはみつかります。

 今回の症例はタイミングが良く、検便でトリコモナスとおもはれる虫体発見されました。うごきが早く確定には至らなかったので、確定診断のためライトギムザ染色をしました。(写真2)

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●治療
 チニダゾール
 
オダガワ動物病院ではトリコモナスにチニダゾールの投与で良好な成績があがっています。この猫には2病日目に下痢もとまり元気になりました。
 海外ではロニタゾールが良いという見解もありますが日本にはありません。(本院もロニタゾールは未使用)


 メトロニダロール
 抗原虫薬でもメトロニダロールはトリコモナスにはいまいち効果がありません。
チニダゾールはメトロニダロールに比べ耐性菌、耐性寄生虫がおきにくい薬剤です。人では両薬剤に有意なデーターはありませんが猫には経験的に良好と筆者は考えています。

 今回の症例は、無事なおりよかったです。

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作者: オダガワ動物病院

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