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他に毛包虫・アカルス症・デモデックスなどいろいろ名称がある疾患です。
呼び名は一定してませんが、正式名称はニキビダニ症になります。
人では
ニキビダニは基本的に深刻な害を及ぼすことはないことは殆どありません。ストレス、ホルモンの分泌異常で顔の皮膚が荒れることはありますが、普通の石鹸で清潔していることで予防、治療は可能な場合が多く、特に薬剤が必要なことは殆どないみたいです。(なお詳細はヒトの皮膚科医に聞いてください)
犬では
ニキビダニは人同様、犬の毛穴に寄生して棲みついています。正常な犬にもいる場合があります。免疫の異常が主因で軽度~重度の皮膚病をおこします。
●ニキビダニ症の犬の予後は年齢でかわります。
1才未満の場合
生まれたての仔犬がニキビダニが感染している母犬の体に寄り添い、母乳を吸う時など濃密な接触が必要です。このような時に仔犬の毛穴にニキビダニが感染します。
感染がおきたあと免疫が完成されてない1才未満仔犬ではストレスがあると発症すると言はれていますが、ニキビダニがいても全く症状をださないこともあります。
また多少のニキビダニは元々どんな犬の毛穴にいるという意見もあり、詳細なメカニズムは不明です。
1才未満の場合は免疫が未熟でおこるので、薬用シャンプーで比較的予後は良く治ることが多いです。人のクレアラシルのように毛穴に浸透の良いシャンプーがお勧めです。
しかし犬で1才位を超えた成犬、特に老齢期の犬では体力や免疫力の低下でおきます。
またリンパ腫などの腫瘍性疾患、副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症などの基礎疾患を患っている場合は免疫力の低下がおき発症する傾向があります。しかし臨床の現場では基礎疾患の原因が追及できない場合の方が多いです。
皮膚のブドウ球菌が二次感染を起こすと化膿をおこし悪化要因になります。
成犬で発症した場合、完治は出来ない場合も多くいます。また1-3ヶ月に1回は薬剤を投与して、コントロールできる犬もいます。本院の経験では1才以上(成犬)の場合7割位が維持治療が必要のように感じています。
症例 2才雑種 雄です。
2才の雑種雄です。眼、口唇の周り、前足などが特に感染しやすすい部位です。
この症例は内股から皮膚全体に紅斑が診られました。
ニキビダニはストレス始め、何らかの要因で異常繁殖し、毛根がダメージを受けて脱毛します。酷くなると本症例のように顔から頭や首へ、前足から肩や胴へと広がっていくこともあります。
皮膚検査でニキビダニが発見されました。ニキビダニの体長は0.2~0.3mmほどです。
ニキビダニの毛穴にいるので、皮膚検査は血がでるくらい深く診る必要があります。
またニキビダニの犬は去勢・避妊をして、このような体質を後世に残さないことも大切です。
この症例は2週間に1回のデクトマックスで、合計6回投与でよくなりました。しかしデクトマックスをやめると再発してしまいました。
そこで維持治療を3ヶ月1回で合計2回実施しました。維持治療後も病変はよくなりました。
今後、維持療法の必要性を説明しましたが、理解は得られなくその後経過は不明です。
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