小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2014.10.30更新

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打撲とメガバクテリア(マクロラブダス)感染のセキセイインコ
生後40日のセキセイインコが巣立ちに失敗して、右脚跛行で来院しました。川崎市多摩区中野島からの来院で、体重は27gです。

 レントゲンで骨折はなく、幼鳥なので、内服はやめてレーザー治療をしました。


翌日より、たいぶ患肢を使用して、よくなりました。

幼鳥なため健康診断を兼ねて検便をしました。

 多くのメガバクテリウムが発見されました。
また食事がアワ玉のみなので、パウダーに変更するよう指示しました。

メガバクテリリウム 非充実型

 そこで3日おきに3回、メガバクテリウムの駆除剤を注射しました。6日後は検便では陰性になりました。 


 備考 メガバクテリウム
 
最近はマクロラブダス症と呼ばれることが多くなりました。
メガバクテリウムはセキセイインコには2つ胃(腺胃、筋胃)があって、腺胃と筋胃の中間層に感染します。 診断は便の直接法・そのう検査によりみつけます。しかしメガバクテリウムは胃の粘膜にへばりついて生存している場合もあり、14%が検出不可能な報告もあります。セキセイインコ はメガバクテリウムに感染した場合、鳥類のなかで、最も感受性が高いのではと推察されています。多くは3-6ヶ月で症状を出し, 急性経過で死亡する場合も少なくありません。また慢性経過し徐々に体力を落とし、痩せて来院するする例も多く見られます。免疫状態がよければ6才まで臨床症状の発症がなかった例も何羽かいました。希なケースでは胃癌に発達したケースもあるそうです。発見されたら早急の駆除が最適な方法です。最近は注射液の開発で、本院では80%の治癒率で良好な成績があがっています。鳥を飼う場合は、鳥類に詳しい動物病院で、必ず検便をしてもらってください。


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最終更新:3月10日(火)10時39分


 

投稿者: オダガワ動物病院