

小鳥診療に慣れた動物病院で検便をお勧めします。
本院で診られた鳥類の検便の主な症例を解説します。
小鳥は検便で真菌・原虫、線虫、条虫の感染が診られます。幼少期から診られる場合が多く、購入したらすぐに検便をお薦めします。犬猫では存在しない真菌が感染していることもが多く小鳥の検便に慣れた動物病院で行うことをお薦めします。
■セキセイインコのメガバクテリウム症
(写真はセキセイインコのメガバクテリウム。正式学名はマクロラブダス オニリソロガスター(Macrorhabdus ornithogaster)で真菌に分類される。また胃が好発部位であることからAGY(Avian Gastric Yeast)とも呼ばれている。)
■文鳥のカンジダ症(Candidiasis) 裸眼とグラム染色


■鳥類のジアルジア症(Giardiasis) ヨード染色
ジアルジア症はランブル鞭毛虫 (Giardia lamblia) を原因とする原虫症で、鳥類ではセキセイインコでよく診ます。また文鳥でも発生します。
ジアルジア症(ランブル鞭毛虫の感染)はヒトにもうつる可能性がないとはいえません。鳥かごなどは週に何回か熱湯消毒がお薦めです。
嘔吐、軟便などの臨床症状を伴う場合と伴わない場合があります。 診断は新鮮な便でないとみつからないことが多いです。
治療は抗原虫剤の投与が中心です。また加齢とともに免疫が高まり自然治癒する可能性もあります。
(写真はセキセイインコのジアルジア)
■鳥類のトリコモナス

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鳥類ではコクシジウムは文鳥・鶏・ハトなどに診られます。コクシジウムは下痢など症状起こす種と、また症状が出ない種があります。駆虫にはサルファ剤やトリトラズリルを使用します。(写真は文鳥のコクシジウム)
■鳥類の回虫

■鳥類の毛細線虫症(Capillaria)
鳥類の毛細線虫症(キャピラリア)は生活史、駆虫剤など詳細はよくわかっていない寄生虫です。本院ではハト、コザクラインコで1例診た経験がある位です。(写真はハトの毛細線虫症)
■鳥類の条虫(Teniasis)
条虫は文鳥・鶏で稀に診られます。写真のように便に「しらす」がついたように見え、自宅でも十分に発見できます。診断のため、必ず受診する動物病院に持参してください。
条虫駆虫薬で治療は可能ですが、文鳥の条虫は中間宿主が不明なため2-3ヶ月で再発する場合が多いです。
(写真は文鳥の条虫)
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