小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2014.10.05更新

●ジギタリスの薬理作用
 ジゴキシンは代表的なジギタりス製剤で臨床ではよく使用されています。人では虚血性心不全を除き使用されています。
 
 獣医界でも広く心臓病に使用されています。犬では薬理作用から禁忌の心臓病はないとされています。

 獣医師によっては猫・フェレット・鳥類でも使用しています。
猫は禁忌と書いてある教科書もありますが、使用している施設もあります。

〇変力(動)作用 
 健康動物でも心臓疾患動物でも心臓の収縮力は心室・心房で認められる。(陽性作用)

〇変周期(変時)作用 
 変力動作用が陽性なので、ジギタりスの投与では正常な動物では静脈が弛緩してうっ血してしまい中心静脈に貯まます。
 しかしうっ血性心不全では静脈がうっ血状態なため、中心静脈に貯まことはなく、心収縮力増加により、拍出量は多くなります。

 血圧は健康動物は末梢血管抵抗がたかくなり血圧が上昇します。しかし心臓疾患の動物では著名ではありません。

 また利尿作用も健康動物は認められないが心臓疾患の動物では認められます。(尿細官でのNaイオンの再吸収の抑制と考えられる。)(陰性作用)

〇変伝道作用 
 刺激伝導系は遅延する。(陰性作用)

■注意 ジギタリスはの投薬には、選択製剤、体重、腎臓機能の3点が重要です。

■様々なジギタリスの製剤 

 本院ではジゴキシン錠剤が主です。ジゴキシン投与は現在は低用量投与が主体でおこなっています。
 ジゴキシンのエリキシル製剤に限り、吸収率が異なりますので、ジゴキシン錠に比べて投与量の変更が必要です。
 体重は脂肪・腹水などを推定で除去した量で薬用量を決定します。  

■腎臓機能  
 ジゴキシンは腎臓排出薬物です。腎臓の悪い動物には使用には減量が必要です。

■体重 
 肥満している動物は脂肪分を推定で引いた量で計算が必要です。

■猫への使用 
 ジゴキシンの猫での使用は半減期が長く一部成書には禁忌の記載もあるが、使用している動物病院もあります。
 
 未知の部分があるとされています。絶対禁忌ではありませんので使用の際はよく担当獣医師とお話ください。本院では使用経験はありません。 



作者: オダガワ動物病院