■マダニの生態
マダニは吸血期間は生涯約20日といはれています。他の期間は脱皮・産卵をして、自然環境下で生活しています。埃内にいてアトピーの原因になるコナヒョウヒダニは0.3mmですが、マダニは2mmから条件によっては30mmにもなります。そのため黒い腫瘍ができたと勘違いして来院するケースもあります。
屋外犬に多く見られ、マダニ類は幼ダニ、若ダニの森林や草地などに生息します。
マダニ類は葉の先で待機して、犬が草むらを通過すると、犬の二酸化炭素を探知して、葉から犬に乗り移り感染します。そのため犬の地面から20-30cmのあたりに多く診られます。
本院の近所なら多摩川、枡形山、生田緑地などに散歩する方は注意です。
■症例
草むらの散歩で感染した犬のマダニ感染。
マダニは肉眼で発見されます。写真のように頭部を皮膚に食い込んで吸血します。吸血中は局所麻酔薬に似た物質を出すので、犬に痛み・痒みはありません。吸血量は48時間以後に最高になり、雌成ダニは吸血前より100倍になる場合もあります。
卵、幼ダニ、若ダニ、成ダニ4期の発育期があり、卵期を除く各発育期のダニは吸血します。写真の右2つは若ダニ、左3つは成ダニです。