犬、痙攣時の薬剤(川崎市多摩区・オダガワ動物病院)
2016.05.07更新
■犬、痙攣時の薬剤
てんかん、低血糖などの原因で、痙攣が止まらなず来院するケースがあります。
この項はてんかんが原因でおきている犬の抗痙攣剤の説明をいたします。犬が痙攣しているときに使用する薬剤で、てんかんの維持薬ではありません。
なおこれら薬剤は、医療用薬剤なので処方には必ず診察が必要です。動物病院で診療を受けてからもらってください。。
殆どの痙攣は短時間で止まりまりますが、日頃の痙攣の回数が多かったり、時間が長い時、また1日に何度もある場合は生命に関わる場合もあり注意が必要です。状態によっては、時間外診療可能な動物病院を受診された方が良い場合もあります。---------------------------------------------------------------------
ジアゼパム坐薬
ジアゼパムはヒトでは長時間効能を示しますが、犬では速効性のある短時間作用型の薬剤です。そのためてんかんの維持には使用は不向きですが、抗痙攣薬として有効な薬剤です。犬で長期的に連続使用をすると、効果がなくなっていくことががわかっています。動物病院では注射液の使用が多いですが、坐薬があり(写真)、発作時に自宅で入れてもらうことでも利用できます。
またジアゼパムをこれまで多く使用している犬は、抗痙攣作用のあるベンゾピアシリン系薬剤を使用しています。
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レペチラセタム(イーケプラー®)
ジアゼパムでも痙攣がとまらない場合はレペチラセタム(イーケプラー®)を使用しています。注射剤は緊急事に静注使用が可能です。錠剤は抗てんかん剤の薬剤変更時などの痙攣発作に短期で使用しています。この薬剤は長期使用は耐性を生じる場合も報告されており、使用は注意が必要です。
またどの抗痙攣剤にも反応しないときは麻酔薬を使用しています。
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そのため漢字では、坐薬と記載するのが正解ですが、ヒトでは、座ってのむ薬と勘違いして、正座して坐薬を飲んだ方がいるそうです。
座薬は医療品を基材に坐薬基材を均等に混和して、肛門・膣より挿入しやすい形状に成型した外用剤です。挿入後、体温により溶けるか、軟化するか、また分泌物で徐々に溶けるものと定義されています。
坐薬は歴史的には17世紀から使用されています。写真のカカオ脂が18世紀になって発見され、坐薬基材として優れていることがわかり、実用化されるようになりました。ヒトではカカオ脂より生成されるチョコレートは口の中にはいるとすぐに溶けます。この性質を利用して、坐薬が肛門内にはいるとするに溶けることにも気づき、坐薬の最適基材としてよく使用されてきました。現在の坐薬はカカオ脂ではなく、その薬剤にあった基材が研究され使用されています。
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