小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2017.11.17更新

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dogtigerrabbitchickコクシジウムとは


こ

文鳥のコクシジウム

 コクシジウムは腸管に寄生して幼犬、幼猫、幼ウサギでは激しい下痢を繰り返し脱水で死亡する可能性のある疾患です。しかしコクシジウムの種類によっては症状なくすごせ、また希に自然治癒することもあります。両者は顕微鏡の検便では鑑別は不可能で発見したら駆虫剤の投与がベストの選択です。
 
 コクシジウムにはイソスポラとアイメリアの2属があります。
 犬猫はイソスポラ(オーシスト内のスポロシスト2つ、スポロシスト内のスポロゾイト4つ)の感染でおきます。ウサギはアイメリア(オーシスト内のスポロシスト4つ、スポロシスト内のスポロゾイト2つ)です。 しかし両者間に駆虫薬の相違はある訳ではありません。


サルファ剤の歴史 
 サルファ剤(salfa)は一部に硫黄(sulfar)を含んでおり、これが名前の由来になっています。しかし硫黄とサルファ剤は別ものです。1932年、最初にG.J.P.ドマークらによつて合成された薬剤でスルファニルアミド基を持ちます。

 備考・獣医領域で時々使用する薬剤で、糖尿病のSU剤、アセタゾラミド(利尿剤)、ゾニサミド(抗癲癇剤)などがスルファニルアミド基を持ち これらの薬剤の使用で副作用が診られた場合はサルファ剤投与は注意が必要です。

 作用は葉酸の合成阻害です。葉酸は細菌は自身で作れますが、ヒトを含めて動物は食事から捕ります。その差を利用した薬剤です。サルファ剤は葉酸の前駆体、パラアミノ安息香酸(PABA)と同じような形状です。
サルファ剤を飲むと、PABAと競合拮抗して、PABAおしのけて、細菌の葉酸の代謝系に入り込むます。そしてジヒドロ葉酸を作れなくします。ジヒドロ葉酸はその後細菌のDNAなどを作る材料になりますので、細菌は生存できなくなります。ヒトを含めて動物はこの経路がないので副作用は少ない薬剤です

 副作用は薬学の本と臨床の場では相違が診られます。
 薬学の本では犬はアセチル化が低くサルファ剤の代謝が苦手です。長期使用で腎障害がでることがあるので注意が必要と記載されています。中毒症状として尿潜血,蛋白尿,尿排泄困難.血清クレアチニン,BUN濃度の上昇が診られるそうです。また尿が弱酸性の犬猫では希に代謝産物(おもにN4のアセチル体)が腎に析出します。ウサギは尿がアルカリ性なのでこの心配は皆無です。
 しかし副作用は臨床の場では使用期間が短いこともあり、私自身経験はありませんし、実際副作用が生じたことを聞いたことがありません。 

■サルファ剤のコクシジウムへの作用 
 サルファ剤は薬理学では抗菌剤ですが、コクシジウム虫体への浸透が良いため使用します。 
 コクシジウムは下痢でも薬剤吸収はよく、注射剤も経口剤も血中濃度は変わらい報告もありますが、本院では下痢がひどい場合は注射投与で3-4日間通ってもらっています。 主な効果は抗体産生までの増殖を抑えることで、無性生殖生活環の最後部分のtrophozoite→schizontの後期発育最終段階の抑制で、この薬剤はコクシジウムの生活環の遮断であり、殺虫効果ではありません。免疫状態は動物により異なり、そのため薬用量・期間の報告も教科書により様々です。経験的には駆虫には14-21日間を要しています。
初期のサルファ剤、スルファジアジン(sulfadiazine)は1947年にが開発され、1日2回の投与が必要がありました。

■スルファモノメトキシン sulfamonomethoxine 
 1日2回は不便のためスルファモノメトキシンは1958年頃に販売されました。投与後の血中濃度は延長して投与回数の減少(1日1回)、副作用の軽減目的(腎臓のアセチル体の沈殿を少なくしたり)を目的に作製されたスルファジアジンの誘導体です。この薬剤は動物病院ではではコクシジウムの駆除によく使用されてます。
 ヒト用、動物用共にダイメトンという商品名が有名です。ヒト用は製造中止になりました。また犬猫用もないため、小動物診療では現在、大動物用を使用しています。
 犬・猫・ウサギのコクシジウムの駆除に感受性がよく、好んで使用しています。

■スルファジメトキシン sulfadimethoxins 
  この薬剤も動物病院ではコクシジウムの駆除によく使用されてます。
 ヒト用、動物用共にアプシードという商品名が有名です。ヒト用はシロップ製剤・注射剤があります。ダイメトン同様、犬猫用はないため大動物用を使用している施設もあります。本院では文鳥始め鳥類のコクシジウムの駆除に使用しています。


その他コクシジウム駆虫剤
■トリラズリル Toltrazuril
 3週間に1回の経口投与でコクシジウムの駆虫可能なトリトラズリルは牛・豚のコクシジウムには認可されてます。 有性生殖・無性生殖両方に効能を示します。本院の使用経験で小動物(犬・ウサギ・文鳥など)に効能外使用は効果はあるようにおもいますがが、症例が少なくまだ詳細は不明です。使用の際は担当獣医師とよくお話ください。

■アセチルスピラマイシンSpiramycin Acetate 
 筆者はマクロライド系抗生剤のアセチルスピラマイシンもは犬猫コクシジウムに使用したことはあります。(ウサギは禁忌)使用した経験では確かにサルファ剤と同等の効能があるようにおもいます。
 医療ではアセチルスピラマイシンはマクロライド系抗生剤としての価値は低く、産科関係でトキソプラズマ(学名:Toxoplasma gondii)に使用される薬剤です。 トキソプラズマはアピコンプレックス門コクシジウム綱に属して動物のコクシジウムと分類が似ています。そのため効能があるのではと筆者は推測しています。
 サルファ剤で副作用がでる症例などは使用価値はあるとおもいますが、二重盲検などのデーターもみあたらず、開業獣医師の経験的な使用法で『有効』と判断してるにすぎないので、エビデンスとしてはサルファ剤より低い薬剤になります。


コクシジウム感染型oocystの生存期間、 
便に排泄されたオオシスト(oocyst)は1-3日で感染型oocystに変化します。

環境          生存期間
砂地(陽当たり)     4ヶ月
荒地(陽当たり)     6ヶ月
湿地           9ヶ月
樹木の多い陽影   18ヶ月
清水中         24ヶ月
乾燥鶏糞(陽影干し) 10ヶ月
乾燥鶏糞(天日干し)  7ヶ月

oocystの駆除法
熱湯   60度     30分
熱湯   80度       1分
熱湯   100度    1-2秒

熱風   80度      5分
熱風   100度     3分

消毒薬には殆ど抵抗します。

 


 

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【break time】
あ

 flower2木下沢梅林(3月)

 

 

 

投稿者: オダガワ動物病院

2017.11.03更新

オダガワ

 notepad点眼液について パートⅡ、エキゾチックアニマルと点眼


小動物への点眼
あ

点眼1滴は大体50μ位です。小動物が眼の病気で来院すると、点眼薬がでることがあたりまえとおもっているオーナーも多くいます。
 しかし小動物に点眼することは大変です。よく掛かり付けの先生とお話して治療は決めてきださい。
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 セキセイインコ・オカメインコなどでは結膜炎がおきて来院することがあります。パートⅠで説明しましたが、点眼薬は殆ど人用で人の眼の大きさ用にできています。犬猫うさぎは眼の大きさは殆ど人と同じなので、人用点眼の使用が可能です。しかしセキセイインコは眼が小さく、1滴点眼すると、眼の外に大量の点眼液がでてしまうことがあります。点眼してもれた点眼液が刺激になって、痒みを生じ、ひどくなることがあります。点眼がうまくできない場合は、点眼をやめて、少々非能率的ですが、経口薬で病気の経過をみることも大切です。

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 ハムスターの白内障

あ

ハムスターはセキセイインコ以上に点眼のしにくい動物です。
眼瞼からもれるとものすごく痒がります。
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あ

モルモットの大きさがあれば、点眼は可能なことが多いです。しかし注意は必要です。
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うさぎの点眼

あ

前記しましたが、うさぎは十分に点眼可能ですが、保定は注意が必要です。
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 セキセイインコ・オカメインコなど鳥類・うさぎ・ハムスター・モルモットの点眼は動物の性格・オーナーの意向を聴いて、投与をみてきめています。

 


 

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【break time】

 
flower2

 

 

 

投稿者: オダガワ動物病院

2017.11.01更新

すdogtigermousechick条虫、吸虫駆虫剤 
プラジクアンテル(Praziquantel)とは


■条虫・吸虫の駆虫について
 昔はこれらの条虫・吸虫の駆除剤は投与前後に絶食が必要だったり、また投与後には下剤が必要な薬剤も多くありました。
1985年ごろ犬猫用のプラジクアンテル(Praziquantelが販売されてから副作用は少なく、絶食などに関係なく安心して投与可能になりました。
 
 注意点は条虫、吸虫の種類により、プラジクアンテルの投与量が異なることです。
条虫・吸虫は神経系の発達が悪く、抑制性神経伝達物質(GABA)は存在しないため、イベルメクチン等は効果を示しません。
プラジクアンテルの作用機序は 条虫の外皮を破壊し、そして内容物を体外へ放出し、主に無機イオンの能動的な移動を阻害して効能を示します。
 実際は駆虫剤投与より中間宿主と接触させないことが大切です
■プラジクアンテルが含まれている複合剤として
◇プロファンダー®スポット 猫用 皮膚滴下剤 
◇ドロンタール®プラス錠 犬用 錠剤 
◇ドロンタール錠® 猫用 錠剤
があります。
 これらの薬剤は線虫駆虫薬(right arrowエモデジプト、パモ酸ピランテル、フェンバンテル)との複合剤で良い点もあります。
しかし瓜実条虫の駆虫量でプラジクアンテルが製剤されており、高用量が必要なright arrowマンソン裂頭条虫right arrow壺型吸虫虫には向きません。
 また複数の寄生虫がいる場合はプレパテントピリオド(線虫類の48-56日、瓜実条虫14-21日)が異なり、再投薬時期に悩むこともあります。
 
 ■またプラジクアンテル単独製剤として
◇ドロンシット® 犬猫用 錠剤・注射 
◇ビルトリシド® ヒト用 錠剤
があります。
 


■本院で診られた条虫、吸虫の種類と駆虫薬、用量、使用形態薬剤
right arrowtigerマンソン裂頭条虫Spirometra erinaceieuropaei)、
right arrowtiger壺型吸虫Pharyngostomum cordatum
 マンソン裂頭条虫の駆虫薬には瓜実条虫駆虫量の約6倍量、吸虫類は約5倍量の投与が必要なため、用量が調節しやすい注射剤が最適です。
 注射がむりな場合は、力価の高い経口剤のビルトリシド®の使用も可能です。

 薬剤より重要なことは、この2種類の寄生虫は第二中間宿主(カエル、ヘビなど)との接触を避けることです。マンソン裂頭条虫はヒトでも感染例が希にあります。


right arrowtiger瓜実条虫Dipylidium caninum
 注射・経口薬・皮膚滴下剤どれでも駆虫可能です。薬剤より重要なことは、right arrow中間宿主のノミの駆除が大切です。ヒトでも感染例があります。


right arrowchick文鳥の条虫 
  経口剤が便利です。しかし中間宿主が不明なため、完全駆除には至りません。


right arrowmouse小型条虫
 本院ではハムスターで診られました。経口投与も可能ですが、プロファンダー®スポットの皮膚滴下剤が便利です。ヒトにも希に感染例があります。

 

■薬剤各論
dogtigerプラジクアンテルの注射剤 

◆ 商品名・ドロンシット®注射液 犬猫用

right arrow瓜実条虫、right arrowマンソン裂頭条虫right arrow壺型吸虫の駆除に使用される薬剤です。特にright arrowマンソン裂頭条虫、壺型吸虫の駆虫には高用量が必要なため、注射剤は投与量が調節でき使用しやすいです。
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tigerプラジクアンテル含有の皮膚滴下剤 

◆商品名・プロフェンダー®スポット 猫用

 成分名・線虫駆虫薬エモデプシド21.43mg/ml(1.5-3mg/kg)、条虫駆虫薬プラジクアンテル85.75mg/ml(5.4-9.8mg/kg)が含有され、グリセリン類似物質に溶解している皮膚滴下剤です。right arrow猫回虫、right arrow猫鉤虫、right arrow瓜実条虫、多包条虫をほとんど同時に駆除可能です。
7週齢、500g以上の犬猫から使用可能です。とくに猫は経口投与が大変な場合もあり重宝な薬剤です。

 プロファンダー®スポット 背中にたらすのみです。
猫回虫、猫鉤虫、瓜実受注の駆虫ができます

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dogtigerプラジクアンテル含有の経口剤 

dog商品名 ドロンタール®プラス 犬用
犬用駆虫薬、3種類の合剤で生後2週齢から使用可能です。
1回の投与で線虫類および条虫類を効果的に駆除可能です。
瓜実条虫→プラジクアンテル
right arrow犬回虫、right arrow犬鉤虫→パモ酸ピランテル
right arrow犬鞭虫
→パモ酸ピランテル・フェバンテールの相乗作用
で駆除を行います。

tiger商品名 ドロンタール® 猫用
 猫用で駆虫薬2種類の製品で、4週齢から使用可能です。
right arrow猫回虫、猫鉤虫はパモ酸ピランテル、
right arrow瓜実条虫はプラジクアンテルが駆除します。
パモ酸ピランテルは猫回虫の産卵前の未成熟な寄生虫に対しても高い駆除効果があります。

dogtiger商品名 ドロンシット®犬猫用、 ビルトリシド®ヒト用 
 共にプラジクアンテルの単独経口剤です。
 ドロンシット®は犬猫用で瓜実条虫感染の場合は便利な薬剤ですが、マンソン裂頭条虫、壺型吸虫の駆虫には猫で3錠も飲ます必要があり、利便性の良い薬剤とは言えません。
 ビルトリシド®はヒトで使用されている条虫・吸虫の駆除剤です。動物用より力価が高いことが特徴です。

あしかし猫では錠剤・粉薬は投薬に抵抗して涎をだして、飲ませにくい場合があります。

 up arrowプラジクアンテルとはへ戻る

 


 

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【break time】

あ flower2竜ヶ岳、ダイヤモンド富士(1月)


 

 

投稿者: オダガワ動物病院

2017.11.01更新

あbookコクシジウムの駆除剤


 コクシジウムは腸管の感染する原虫です。
本院では幼犬、幼猫、幼ウサギ、文鳥、烏骨鶏で経験があります。
無症状でワクチン時偶然発見される場合もあれば、また激しい下痢を繰り返し脱水で死亡することもありました。

 コクシジウムにはイソスポラ属とアイメリア属があります。
 dogtigerright arrow犬猫はイソスポラ属(オーシスト内のスポロシスト2つ、スポロシスト内のスポロゾイト4つ)で待機感染があります。
犬(Isospora canis、Isospora obioensis )、猫(Isospora felis、Isospora revolta) の2種類の感染

rabbitright arrowウサギはアイメリア属(オーシスト内のスポロシスト4つ、スポロシスト内のスポロゾイト2つ)の感染で待機感染はありません。
chick鳥類はアイメリア属が多いですが、文鳥、カナリアはイソスポラ属です。
 しかし両者間に駆虫薬の相違がある訳ではなく、発見したら駆虫剤の投与がベストの選択です。
これまで駆虫剤はサルファ剤が主でしたが、2017年9月に犬のコクシジウムにプロコッカス®(成分名トルトラズリル他)が認可されました。これからはこの薬剤が中心になると考えられます。

right arrowdogトルトラズリル
right arrowコクシジウムの生活環はこちらへ

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■治療薬

あcamera1)バイエル社の資料より引用

■トルトラズリル

あ
 1985年海外でニワトリ抗コクシジウム剤で販売されたのが始まりとされています。日本には2015年9月に豚用で販売されました。コクシジウムの各ステージに対して広く作用を及ぼし、すぐれた効果を発揮します。(camera1)
 
 犬用は認可済み製剤ですが、本院の使用経験では小動物(猫・ウサギ・文鳥など)に効能外使用で用いた経験では、効果はあるようにおもいます。しかし症例が少なく、使用の際は担当獣医師とよくお話ください。

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■サルファ剤
 サルファ剤は一部に硫黄を含んでおり、これが名前の由来になっています。しかし硫黄とサルファ剤は別ものです。1932年、最初にG.J.P.ドマークらによつて合成された薬剤でスルファニルアミド基を持ちます。トリブリッセン®(製造中止)に含まれるスルファジアジンが古典的なサルファ剤にあたります。その後作用時間を延長させたり、また副作用を減らしたスルファモノメトキシン、スルファジメトキシンが販売され現在使用されています。

 備考・獣医領域で時々使用する薬剤で、糖尿病のSU剤、アセタゾラミド(利尿剤)、ゾニサミド(抗癲癇剤)などがスルファニルアミド基を持ち これらの薬剤の使用で副作用が診られた場合はサルファ剤投与は注意が必要です

■サルファ剤のコクシジウムへの作用 
 サルファ剤は薬理学では抗菌剤ですが、コクシジウム虫体への浸透が良いため使用します。 
 コクシジウムは下痢でも薬剤吸収はよく、注射剤も経口剤も血中濃度は変わりません。主な効果は抗体産生までの増殖を抑えることで、無性生殖生活環の最後部分のtrophozoite→schizontの後期発育最終段階の抑制で、(camera1参照)殺虫効果ではありません。免疫状態は動物により異なり、そのため薬用量・期間の報告も教科書により様々です。経験的には駆虫には14-21日間を要しています。

■スルファモノメトキシン(sulfamonomethoxine) 
 スルファジアジンの1日2回は不便のため、作用時間を長くしたスルファモノメトキシンは1958年頃に販売されました。投与回数の減少(1日1回)、副作用の軽減目的(腎臓のアセチル体の沈殿を少なくしたり)を目的に作製されたスルファジアジンの誘導体です。この薬剤は動物病院ではではコクシジウムの駆除によく使用されてますが、動物での使用は1日2回が良いように感じます。大動物用のダイメトン®という商品名が有名です。ヒト用、犬猫用もないため、小動物診療では現在大動物用を使用しています。

■スルファジメトキシン(sulfadimethoxins

  この薬剤も動物病院ではコクシジウムの駆除に使用されてます。
 ヒト用、動物用共にアプシード®という商品名が有名です。ヒト用はシロップ製剤・注射剤はあります。散在は犬猫用はないため大動物用を使用しています。本院では文鳥のコクシジウム駆除に使用していますが上記したトルトラズリルのほうが効果あるように感じています。

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■その他コクシジウム駆虫剤

■アセチルスピラマイシン(Spiramycin Acetate) 
 筆者はマクロライド系抗生剤のアセチルスピラマイシンも犬猫コクシジウムに使用したことはあります。(ウサギは禁忌)使用した経験ではサルファ剤と同等の効能があるようにおもいます。
 医療ではアセチルスピラマイシンはマクロライド系抗生剤です。しかし抗生剤としての価値は低く、産科関係でトキソプラズマ(学名:Toxoplasma gondii)の際に使用される薬剤です。 
トキソプラズマはアピコンプレックス門コクシジウム綱に属して動物のコクシジウムと分類が似ています。そのため効能があるのではと筆者は推測しています。
 この薬剤は二重盲検などのデーターはなく、開業獣医師の経験的な使用法で『有効』と判断してるに過ぎない薬剤です。そのためエビデンスレベルはサルファ剤より低い薬剤になります。


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 【break time】

あflower2シナノキンバイ(北岳、8月)


 

投稿者: オダガワ動物病院

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