ウサギの外部寄生虫(川崎市多摩区、オダガワ動物病院)
2017.09.21更新
■ウサギの外部寄生虫
当院に来院のあったウサギの外部寄生虫を紹介します。
■ウサギのツメダニ(Cheyletiella parasitivorax)
本院ではウサギの皮膚病疾患で一番多く診ます。
■診断
皮膚をセロハンテープで採取することで診断可能です。
■症状
ウサギの背中の正中に沿って、痂皮がみられることが多いです。若いウサギはツメダニの大量寄生で症状を訴えて来院しますが、少数寄生の場合、加齢で免疫力が低下してから皮膚病変が生じて来院するケースがあり、痒みは訴える場合とない場合があります。
本院では後者の症例が多いです。ウサギのツメダニはヒトへの感染も報告されています。
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■ウサギのズツキダニ(Listrophorus gibbus)
ウサギの皮膚に「白から茶のこしょう」のような垢がみえて、この垢が動くという主訴で来院します。
毛にクシを入れると同様のものが採取可能な場合もあります。セロテープで虫体を採取して顕微鏡で診たところズツキダニが発見されました。この症例は形態より雌です。(写真)
このズツキダニはウサギの体幹部に寄生し皮膚から組織液を吸って生活します。ウサギに症状はありません。(希に痒みを訴える個体もいますが)またヒトへの感染もないとされています。
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■ウサギとノミ(flea)
ウサギへの感染は殆どがネコノミで、イヌ・ウサギ・フェレット・ヒトなど種を超えて感染します。日本ではイヌへのノミ感染も70%位がネコノミです。この症例は家のお子さんが猫をたくさんかっている家に遊びにいくので感染がおきたと来院では推察した症例です。
ノミの大きさは大体0.3mm-0.4mmでノミから見て人間の大きさはエベレスト山ぐらいに相当します。通常10-20日間生存でき、雌は1日10-20個の卵を産みます。3-4週間で成虫になります。また蛹は1年位生存できる場合もあります。ジャンプが得意で約1mも跳ねます。これは人間に例えれば東京タワーの第一展望台まで飛び上がることに相当します。跳ねて動物の皮膚に移り寄生生活を始めます。
また温度・湿度・環境によりノミの増殖は左右します。東京付近 のマンションなどでは風通しが悪く、湿気が高く、ノミが増えるには良い条件になっている場合が多く、本院のノミ症例もマンションで飼育している方が結構います。風通しの良い「田舎のおじいちゃん・おば ちゃんの家」が ノミを繁殖させないとこには理想的な環境みたです。
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■マダニとウサギ
写真のように、ウサギも家の庭で飼っているとマダニが感染することもあります。
抗ダニ剤の使用で、マダニはいなくなりましたが、また庭に放すのでマダニがつくことを繰り返した症例です。
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■ウサギの疥癬症
希ですがウサギの疥癬症はいます。普段皮膚が薄い部分が「かさぶだ状」になって来院します。
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■ウサギの外部寄生虫駆虫薬
本邦ではウサギ用に認可されたダニ・ノミの駆虫剤なく、効能外使用になります。ウサギに安全に使用できる犬猫用ダニ・ノミ製剤はありますが、一方うさぎに使用不可な犬猫用のダニ・ノミ駆虫剤もあり、それらの使用で死亡例も報告されています。処方はウサギの診療に詳しい動物病院を尋ねておこなってください。
(備考・ウサギはダニ・ノミ製剤と抗生剤の使用は要注意です。)
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